こんにちは、けいたです!今日は「頻脈とは何か?」から始めて、病的な頻脈の分類や見分け方まで、わかりやすく整理していきますね!
心電図講師
けいた
よろしくお願いします!「頻脈」ってよく耳にするんですけど、実はちゃんと定義を知らなくて…。
新人看護師
りさ
頻脈の定義はズバリ「脈拍が1分間に100回以上」の状態を指します。
つまり心拍数が100を超えていたら“頻脈”というわけですね。
じゃあ、運動後にドキドキして100回以上になっても“頻脈”ですか?
いい質問です!実は頻脈には2種類あって、運動や発熱、ストレスなど身体の正常な反応で起こるのが「生理的頻脈」。一方で、心臓の電気異常で起こるのが「病的頻脈」です。
なるほど、身体の“反応”として出るものと、“異常”で出るものがあるんですね!
ちなみに頻脈って「上室性」と「心室性」に分かれてますよね?「上室性」と「心室性」って、何が違うんですか?
お!よく知ってますね!
違いは、電気がどこから出てるか。心臓の電気は「洞結節 → 房室結節 → ヒス束 → 脚 → 心室」と流れていきます。その中で、ヒス束より上”から出る異常な電気は『上室性』、ヒス束より下”から出るのが『心室性』とされています。
なるほど、電気のスタート地点で分類されるんですね!
上室性頻脈には、いくつかの種類があります。代表的なものとしては、次のように分類できます。
まず、慢性的に続くことが多いタイプとして――
洞性頻脈
心房細動(AF)
心房粗動(AFL)
多源性心房頻拍(MAT)
これらは、特にAFやAFLがそうですが、「発作的に始まって自然に止まる」こともあれば、「そのまま持続してしまう」ケースもあります。一度起きると、再発したり持続性に移行する可能性があるのが特徴ですね。
そしてもう一つのグループが、突然始まって、突然止まる“発作性”のタイプです。これがいわゆる
PSVT(発作性上室性頻拍)
その中でも代表的なのが
AVNRT(房室結節リエントリー)
AVRT(副伝導路を介したリエントリー)の2つですね。PSVTはまさに、「ドンッと始まって、スッと止まる」パターンが多く、リズムがとても規則的でQRSも細いというのが特徴です。
なるほど…
「AFとかも発作性って聞いたことあるけど、止まらずにずっと続くこともある」って感じなんですね?
その通りです!AFやAFLも“発作性”から始まることはよくあります。でもそれが自然停止せずに何日も続くと「持続性AF」って言われるようになります。つまり、突然始まって止まることもあるけど、止まらないと慢性化する可能性がある――そんなイメージを持っておくといいですね。
なるほど!「始まり方」じゃなくて「どれくらい続くか」で分類されるんですね!
心室性頻脈はシンプルで、基本的にはこの2つだけです。
心室頻拍(VT)
心室細動(VF)
どちらも命に関わる重篤な不整脈なので、要注意ですね。
心室性って聞くと怖い感じしますね…。
最後に、上室性か心室性かを波形から見分けるコツです。
QRS波が狭い(0.12秒未満)→ 上室性
QRS波が広い(0.12秒以上)→ 心室性
電気の通り道が正常だとQRSは狭く、異常な経路を通るとQRSが広がるんです。
なるほど!QRSの幅ってそうやって使うんですね!
では、最後に本日のまとめです!
脈が速い状態(100以上)を「頻脈」って呼びます。
正常な頻脈 → 運動、発熱、ストレスで自然に速くなる。
病的な頻脈 → 心臓の電気の異常で、急にドキドキするやつ。
上室性:ヒス束より上”から出る異常な電気
心室性:ヒス束より下”から出る異常な電気
洞性頻脈(生理的に多い)
心房細動(AF)/心房粗動(AFL) → 慢性的なことも多い。
発作性上室性頻拍(PSVT) → 突然始まって、突然止まる!
心室頻拍(VT):命に関わることも。
心室細動(VF):電気がバラバラに暴れてる状態。最重症。
幅が狭い(narrow)=上室性
幅が広い(wide)=心室性※でも例外もあるので注意!
すっごく整理されました!次からは“なんとなく速い”じゃなくて、ちゃんと見て判断できそうです!
その意識が大事ですね。「どこから出てるか?」「QRS幅はどうか?」この2つを見るだけでも、頻脈の見方がぐっと変わりますよ!
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