けいたさん今日って徐脈の勉強でしたよね?
新人看護師
りさ
そうですね。ただ、いきなり波形に入る前に…まずはここを思い出してほしいんです。
心電図講師
けいた
ここ…?
刺激伝導系です!前にやりましたよね。
では、ここで一度確認です。
刺激伝導系の名前をあえて消した画像を出しますね。この電気の通り道、どこがどこか分かりますか?
完璧じゃなくて大丈夫です。「電気がどこから出て、どこを通っているか」それを思い出してみてください。
うーん、難しい。
では、解説していきましょう。
心臓って、ただ筋肉が勝手に動いているわけじゃなくて、電気の通り道がちゃんと決まっています。
スタートは洞結節。ここから電気が出て、
・心房に広がる・房室結節で一度ゆっくりになる・ヒス束・脚・プルキンエ線維
こうやって心室まで電気が流れていきます。
この流れがあるからこそ、
P波 → QRS → T波
という順番で波形が並びます。
洞結節がスタート地点でしたよね。ここが弱くなると、やっぱり脈って遅くなるんですか?
そうですね。電気の出る回数が減るので、結果として心拍数は落ちます。
でも…脈が遅いだけで、そんなに問題になるんですか?
いいところに気づきました。そこが臨床で一番大事な視点なんです。
心臓は「血液を送り出すポンプ」ですよね。
1回ドクンと動くごとに、全身に血液を送っています。ということは──
心拍数が落ちる↓送り出す回数が減る↓全身の血流が下がる
こういう状態になります。
その中でも、特に影響を受けやすいのが「脳」です。
脳は酸素のストックがほぼない臓器なので、血流が少し落ちただけでも症状が出ます。
現場でよく見るのは──
・めまい・ふらつき・眼前暗黒感・失神・意識消失
いわゆる脳虚血症状ですね。
なので徐脈を見たときは、
「波形がゆっくりだな」で終わりではなくて、
・意識は?・血圧は?・失神歴は?
ここまで考えます。
心電図は波形を見る検査ですが、最終的には「体の中で何が起きているか」を想像する検査なんです。
心電図だけでそこまで考えるなんて!す、すごい。
では、こちらの心電図を見てください。
あれ…?途中、波形が出ていないところがあります。
いいですね!ちなみに、出ていないのはQRSだけですか?
いえ…P波もないです。丸ごと止まってます。
その通りです。
電気のスタートは洞結節でしたよね。つまりこの波形は、
「伝わらなかった」のではなく「そもそも電気が出ていない」状態です。
洞結節が電気を出さないと、
・P波が出ない・QRSも出ない・拍動が止まる時間ができる
心電図では「ぽっかり空いた間」として見えます。
これが洞停止です。
さっきの洞停止って、洞結節が電気を出さなくなる状態でしたよね。
そうですね。スタートの電気が止まる状態でした。
あれって…一時的なものなんですか?それともずっと続くこともあるんですか?
いい視点です。実はそこが、このあとの大事な話につながります。
洞結節の異常って、
「止まる」だけとは限らないんです。
例えば――
・ずっと脈が遅い・急に止まる・出たり出なかったり・運動しても脈が上がらない・逆に速いリズムが出ることもある
つまり、
洞結節の働きそのものが不安定になるという状態ですね。
ここで整理します。
洞結節の働きに異常が起きて、
・徐脈・停止・リズムの不安定さ・頻脈との行き来
こういった問題がまとめて現れる状態。
これを総称して――
洞不全症候群と呼びます。
止まるだけじゃなくて、いろんな異常が含まれるんですね。
なので臨床では、
「どんな異常が起きているタイプなのか」
を整理して考えます。
そこで使われるのが、ルーベンスタイン分類です。
ルーベンスタイン分類??洞不全症候群にもいろんな異常があるってことですね。
そうなんです。だから臨床では、「洞結節の機能がどう不安定になっているか」で整理します。洞不全症候群を大きく3つのタイプに分けた考え方ですね。
まずⅠ型。
これは洞結節の電気を出す力そのものが弱いタイプです。
特徴としては、
・持続的な洞性徐脈
いわば、ずっと元気がない状態ですね。
次にⅡ型。
これは電気が出たり止まったりするタイプです。
・洞停止・洞房ブロック
さっき見たような「ぽっかり間が空く波形」はここに入ります。
洞結節はあるけれど、安定して働けない状態です。
最後にⅢ型。
ここが少し特徴的です。
・徐脈・頻脈
この両方を繰り返します。
例えば、
普段はすごく遅いのに、急に心房細動などの速いリズムになる。
いわゆる徐脈頻脈症候群ですね。
洞結節が不安定になり、リズムのコントロールができなくなっている状態です。
うーん…いきなりたくさん出てきて難しいです。
大丈夫です。最初はみんなそう言います。
まずは、
・ずっと遅いタイプ・止まるタイプ・遅いと速いを繰り返すタイプ
この3つのイメージだけ持てれば十分です。
分類名や細かい定義は、実際の波形を見ながら少しずつ慣れていきましょう!
おお…なんだかコンパクトにまとまっていて、覚えやすいです!
それならよかったです。まずは大枠のイメージを持つことが大事ですからね。今回の勉強は以上です!お疲れさまでした。
はい!ありがとうございました。次回の勉強もよろしくお願いします。
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