臨床検査技師の追加資格とは?転職やスキルアップに役立つ認定資格を紹介
カリスマ検査技師K

こんにちは!
病院で働く現役の臨床検査技師『けいた』と申します。

今回は、臨床検査技師の取得できる認定資格についてまとめてみました。
近年、医学は日々進化しており、臨床検査技師の業務も細分化され、専門的で高度な知識を求められるようになってきています。
これらを可視化するための方法として、認定資格というものが誕生して徐々に増加しています。
患者さんにも医師にも信用される様な臨床検査技師を目指して、資格取得をおすすめします。
また、資格の取得は転職にも有利であるとの話もありますので、それらを含めて解説していきます。

普段の仕事から学べる事

病院やクリニックなどにおける臨床検査技師の仕事は、その施設の【検査】に関する様々な部分に関与しているため、業務内容として複数存在します。
しかしながら、配属された分野の内容によっては毎日同じ様な作業を繰り返す業務もあるため、ただ淡々と仕事をこなすだけの日々を送ってしまうという人も多いのが現状です
実際に私も転職前の病院では、検体検査を測定する業務でしたが、思考停止状態でただ毎日作業をこなすだけの1年間を送りました。
今考えるとそれは間違えで、検査結果から何が考えられるのか、どうすれば効率よく検査を進めることができるのかを常に考え、毎日脳をフル回転させながら働くことが大切だったと思っています。
日々の業務に探求心と向上心を持って検査をすることで、多くの疑問を生むことができます。
その疑問を追求していくことで、自分自身のスキルアップに繋がっていき、狭かった世界が大きく広がって検査について考えることができると思います。

スキルアップと認定資格

日々の業務から学んだことを更に深く勉強していくことのできる方法として、認定資格というものがあります。
医学はどんどん発展しており、臨床検査技師にも専門的で高度な知識を求められるようになってきています。
そこで、目に見える確実な知識や技術を身につける為にも、認定資格の取得を目指すことをおすすめします。
日々の業務に良い影響を与えることはもちろんですし、転職を考えた際にも、認定資格を持っていることで面接や給料の面で有利になります。
また、これから就職を考えている方にとっては、どんな認定資格があるかを知ることで、新しい分野の発見により将来進みたい道を見つけることができます。

カリケン 真顔

認定資格は多くの種類があるから、ざっとみてみて気になった資格を調べることをおすすめするよ!

検査技師の王道の資格といえばこれだ!

医療の分野では様々な資格が存在していますが、その中でも臨床検査技師がメインで受けている資格について紹介していきたいと思います。
臨床検査技師になる前から、この取得を目指して頑張っている人も多くみられる人気な資格です。
勉強だけではなく、高度な技術も必要な資格ですので取得を目指している人は是非頑張って下さい。

カリケン 企み

ちなみに僕もいつか絶対取得したいと思っています!

超音波検査士

エコー検査をしている検査技師にとっては受験するかどうか一度は考える資格なのではないでしょうか。
実際に私も心エコー検査の修行中ですが、受験資格が整ったら是非受けようと考えている資格の一つです。
私が受験しようとしているのは心臓の分野ですが、超音波検査士の資格は7つもの領域に分かれていて、受験できるのは1年に1回で1領域のみです。
試験は筆記試験があるため、しっかりと超音波検査について勉強してから受験に臨む必要があります。
また、症例レポートの提出が必要であるため、実務経験も重要ですが病院の協力も必要となります。
資格取得後も5年に一度更新が必要ですので、実際に取得してから勉強や検査をなにもしないでいると更新は難しいでしょう。
臨床検査技師は超音波検査士の資格がなくても検査を行うことはできます。
しかし、エコー検査が臨床上重要であることや医療の発展により、検査そのものに高度なスキルを求められるようになりました。
実際に病院や健診センターの求人では、超音波検査の資格が必須である場合や、給料の面で優遇される場合があります。
つまり、この資格を取得することで超音波検査のスキルアップができるだけでなく、転職を考えている際に使える資格でもあります。

カリケン 笑顔

領域が多すぎて全部持っている人がいたら神ですね。

細胞検査士

細胞検査士資格認定試験が受験できるのは、臨床検査技師と衛生検査技師です。
臨床検査技師のみが取れる資格で、癌検診における細胞診断はとても重要な役割を果たしているため、検査学生などで憧れている方もいるのではないでしょうか。
臨床検査技師でこの資格を持っている方は、病理検査のある病院ではどこも欲しがっているような印象を受けます。
私の大学の同級生の友達は大学卒業後に、細胞検査士養成所に通い見事資格を取得して、総合病院の病理検査室に就職しました。
友達は細胞検査士養成所に通うことで受験資格を得ましたが、別の方法としては検査技師として細胞診検査の実務に1年以上の従事した者という方法もあります。
働きながら勉強できるか不安な人は私の友達のように、養成所に行ってもいいかもしれません。
養成コースのある大学も存在するようですので、自分に合った方法を見つけるのが一番良いかと思います。

カリケン 泣き

僕は顕微鏡は苦手なんです。

最近注目されている資格

内視鏡技師

近年、医療の進歩により内視鏡検査が多くの病院で使われるようになりました。
広く使われるようになった理由としては患者さんの人体への負担が少なくなったことや、診断から治療までがスムーズに行われるようになったことが挙げられます。
内視鏡検査の普及に伴って、病院やクリニックなどの様々な医療機関で内視鏡検査に従事する検査技師を配置することが多くなってきています。
実際に内視鏡を操作するのは医師ですが、消化器内視鏡診療を行う際に、安全でスムーズな検査ができるよう内視鏡カメラの準備や補助、また日々の機器メンテナンスをしっかりと行うことが内視鏡を扱う検査技師の役割です。
医師が検査をする際に、いつでも鮮明な画像が映せるように一つ一つ丁寧に行うことが重要です。
また、内視鏡検査を行う患者さんへの検査説明も業務の一つであり、検査に不安を感じている患者さんに寄り添って丁寧に説明することで、不安を解消してあげることも大切なスキルです。
このように内視鏡業務に従事する看護師や技師には、専門知識と技術が必要であり、これらのスキルをそなえた人を認定する資格制度として内視鏡技師というものがあります。
受験資格として、日本消化器内視鏡学会専門医が従事する内視鏡室で2年以上の実務経験が必要であるため、もし資格を取りたい場合は就職前に確認する必要があります。
もし内視鏡の分野に興味がある方や、もうすでに働いている方がいるのであれば是非受験してみてはいかがでしょうか。

カリケン 真顔

最近、胃カメラで臨床検査技師募集の求人をみる様になった気がします

胚培養士

主に不妊治療に携わり、体外で精子と卵子を受精させて母体に戻すまでの過程において、胚(受精卵)を扱う専門職です。
なぜ最近注目されている資格であるかというと、やはり女性の晩婚化が進んだ昨今の日本において、不妊治療を必要とする患者数の増加が理由といえるでしょう。
胚培養士の業務の一つである顕微授精と呼ばれる受精操作は、主に顕微鏡を使用して作業を行っていきます。
そのため顕微鏡の扱いに慣れている臨床検査技師が、この分野で活躍していることが多いと考えられます。
病院で働く臨床検査技師の方などがこの分野に転職する場合、業務での共通点はありますが、作業内容や必要とされる知識も全く別ですので、新たな分野に挑戦するという気持ちをしっかりと持って進んでいくことが重要です。
他の資格と同様に、産婦人科領域の高度な知識や顕微鏡を扱う上での洗練された技術などが必要であるため、それらを認定する資格制度が設けられています。
胚培養士として働くことになるのであれば、自身の技術の向上や維持のため是非取得するべき資格かと思います。
「命を誕生させる」という分野に興味のある方は、胚培養士を目指して、病院で働く技師とはまた違った形の臨床検査技師になってみてはいかがでしょうか。

カリケン 笑顔

生命の誕生に携われるって、素晴らしいことだよね

日本糖尿病療養指導士

日本糖尿病療養指導士(CDEJ:Certified Diabetes Educator of Japan) とは、糖尿病とその療養指導全般に関する正しい知識を有し、医師の指示の下で患者に熟練した療養指導を行うことのできる医療従事者(看護師、管理栄養士、薬剤師、臨床検査技師、理学療法士)の資格を有する者に対し、糖尿病療養指導士認定機構が与える資格です。
臨床検査技師は毎日の業務において検査数値の読み方を得意としており、そのため患者様に正しい読み取り方などを教えることが可能です。
「臨床検査技師なのになんで患者さんの指導をしなければならないのか。そうゆうのは看護師さんが得意だろ」と思う人もいるかもしれません。
しかしながら、チーム医療が重要視されている現代ですので、各々の職種で自身の専門知識の向上に努め、お互いに情報交換や連携を取り合うことで、それぞれの患者様に合った質の高く分かりやすい指導を可能にします。
糖尿病療養の重要性は高く、糖尿病患者を支援する資格として、需要はさらに高まっていくことが予想されますので、興味のある方は考えてみてはどうでしょうか。

カリケン どや顔

なんか患者さんに指導しているのが検査技師って良いよね

検査技師のみが取れる資格

臨床検査技師国家試験合格後の方しか取得できない認定資格もいくつかあります。
臨床検査技師として病院で働いてみて、配属された分野でさらなる知識や技術の向上を目指したい方は是非取得を目指して下さい。

カリケン どや顔

俺たちだけの資格やぞ!!

一級臨床検査士・二級臨床検査士

臨床検査技師の上級資格と言われており、細分化された医療分野についてのより深い知識や技術を証明することができる資格となっています。
資格試験の分野は以下の8つとなっております。

微生物学
病理学
臨床化学
血液学
免疫血清学
循環生理学
神経生理学
呼吸生理学

二級臨床検査士は、各分野の理論や日常の検査に必要な知識と技術を問われますが、試験を受けた同僚の感想としては検査技師の国家試験をちょっと難しくしたレベルになっています。
しかしながら一級臨床検査士は、二級臨床検査士に必要な知識が身についていることはもちろんのこと、更に医療の進歩による新しい検査法を理解していることや、日常業務における管理能力や指導能力にも対応しているか問われる、非常に難しい試験となっています。
一級臨床検査士を受験の際はかなりの勉強量が必要となるため、念入りな準備をするようにしましょう。
そしてこちらの資格も転職の際に他の資格同様、合否の判断材料の一部として使われることがあるそうです。

緊急臨床検査士

こちらの資格も臨床検査技師のみが受験できる資格となっています。
臨床検査技師の当直や休日出勤は小規模から中規模の大きさの病院であれば、1人で全ての検査を行わなければならないことがほとんどです。
病院での当直や休日出勤の基本的な業務は緊急検査であり、上記のような病院では一人で緊急の検査に対応していかなければなりません。
緊急検査では正確で迅速な検査を要求されるため、必要な知識と技術を持っていることで一人でも自信をもって検査結果を送ることができます。
この資格はそのような緊急時の検査に必要な『一般検査・生化学検査・血液検査・輸血検査・微生物検査・生理検査』における全ての分野の知識を問われる試験となっています。
この資格を持つことで緊急時の検査において自信を持って検査から報告までできるようになるでしょう。
試験は筆記試験と実技試験があり、上記の6つの分野における結果報告までが範囲となっています。
緊急時の検査には知識や技術のほかにも判断力や冷静さなども必要ですので、実技試験においてもそのようなスキルが求められます。
緊急検査を受け持っている臨床検査技師の方は受験を考えてみてはどうでしょうか。

カリケン 真顔

なんか友達もみんな持っているイメージ

認定輸血検査技師

認定輸血検査技師とは、血液検査室の臨床検査技師のことで、輸血検査を専門業務としています。
試験の合格率は平均20%台となり、かなり難易度の高い試験となっています。
実技試験には、ABO、Rhの血液型判定や、赤血球抗体の同定などがあり、実技の確実さ正確さが求められます。
また、普段輸血検査に携わっていない臨床検査技師でも、当直などで輸血検査を行っている方も多くいます。
輸血検査は、検査の中でも特に患者の生死に関わる検査でもあるため、検査をするにあたって不安を感じている臨床検査技師も多いはずです。
この、認定輸血検査技師の資格を取得することで、輸血に関する深い知識と正確な技術を身につけることで自信を持って検査ができるようになるかもしれません。

認定臨床微生物検査技師

医学の進歩、高齢化の進行などによって、医師の負担は重くなっており、医療の質を高めるためには、多職種間で連携を図る「チーム医療」は必須と考えられています。
中でも病院における感染対策チーム(Infection control team;ICT)では、臨床検査技師もチームの一員として院内感染を発生させないための組織作りを目指している。
このように臨床検査技師は感染症における専門的な知識が求められている中で、認定臨床微生物検査技師は、臨床微生物学や感染症検査法についての高度な専門知識と技術を有する臨床検査技師になります。
受験資格審査を通過するためには認定研修施設での研修や、臨床微生物学に関する筆頭者としての学会発表及び論文発表が必要になります。
微生物検査室で働く臨床検査技師の方は、ICTに参加し臨床検査技師の立場から他の医療従事者への微生物学に関する適切な情報提供や、後輩検査技師への教育指導ができる技師を目指して是非資格の取得をしてほしいです。