こんにちは!
病院で働く現役の臨床検査技師『けいた』と申します。
検査技師として病院で感じる「やりがい」とは、やはり自分が行っている検査から病気の早期発見に繋がり、患者に感謝されることや医師から認めてもらえることだと思います。
医療の分野で日々勉学に励むことで、自分の努力が他人に評価してもらえた時に強く「やりがい」感じることができると思います。
それでは上記の部分をもう少し詳しくまとめてみたので、是非ご覧ください。
医療現場で人を助ける
医療現場で働く人間に憧れを抱き、「人々を助ける仕事がしたい」という思いで臨床検査技師を目指したという声をよく聞きます。
臨床検査技師は基本的に医者や看護師のように表舞台に立って、患者さんを直接治療して助けていくわけではありません。
検体検査などでは直接患者に会わない場合がほとんどであり、検査結果でしか患者さんの状態を把握できません。
しかしながら、自分たちが責任をもって出した検査結果により治療が進み、患者さんの経過が良くなっていることが分かった時に「やりがい」を感じることが多いです。
陰で医療を支えているという面では、責任感の強い方に向いている仕事なのではないかと思います。
また迅速に検査結果を報告することで医者だけでなく、看護師などからも感謝されたりしますのでそのような時も「やりがい」を感じます。
ちなみに医療現場で白衣を着て仕事していることが格好いいと感じている人もいて、毎日白衣を身に着けることで「やりがい」を感じている人もいるのではないかと思います。
ちなみに僕の病院は白衣ではないです。
ドラマの『コードブルー』でみんな着ているスクラブと呼ばれる服を着ています。
検査データの解釈
医療現場での経験が豊富になってくると医師に検査結果についての意見を求められることもあります。
そんな時に適切な返答をすることができると、自分は医療現場の一員であると実感することができ、それもまた大きなやりがいを感じます。
医師と検査結果について話ができるようになるためには、自分の専門分野はとことん勉強する必要があります。
測定した結果の臨床から考えられる解釈だけでなく、臨床検査技師として検査精度による解釈や検体不良による解釈など、幅広い視点からその結果について考えていく必要があり、日々勉強を怠らないよう努めていく必要があります。
医師に感謝されると勉強しててよかった!って思います。
病気の早期発見
高齢化社会となった現代において、病気の早期発見は多くの人の命を救うことのできる重要な医療技術です。
日本人の死因の中でもトップである悪性新生物、いわゆる「がん」も、早期発見によって、かなりの確率で治癒できるようになってきています。
この病気をみつける検査も臨床検査技師の仕事であり、臨床検査技師の手によって多くの人々の命を救っているのです。
このように病気の早期発見をするという繊細な技術や知識を身に着けて、多くの患者さんを救っていくことが臨床検査技師にとっての「やりがい」だと感じます。
また、健康診断や人間ドックなどで様々な検査を行っているのも臨床検査技師です。
我々検査技師が正確な検査を行うことで、生活習慣病である糖尿病や高血圧、高脂血症などの早期発見や病気の進行状況の判定をすることで、たくさんの人々の健康寿命延長に貢献しているのです。
このように大変責任のある仕事ですが、健康診断や人間ドックなどで働き、病気の早期発見に貢献することで「やりがい」を感じている検査技師も多くいます。
チーム医療に貢献する
病院内にはさまざまな専門職種によって患者をサポートするチームが存在します。
医師や看護師、薬剤師、栄養士、診療放射線技師、理学療法士など様々な専門職種が得意な部分の知識や技術を出し合って良質な医療を提供していきます。
このチーム内で検査技師としての役割を果たすことにやりがいを見つける方もいます。
では臨床検査技師が実際に参加している医療チームについて、いくつか紹介していきます。
栄養サポートチーム(NST)
多職種による患者への適切な栄養管理を実施し支援する集団のことです。
患者さんの病気を治すためには手術や薬剤療法など様々な方法がありますが、どんな治療法においても栄養状態が悪いと効果を上げることができません。
チームが患者さんの病態や栄養状態を確認し必要な栄養量や栄養補給方法を提案しています。
ここでの検査技師としての役割は、対象の患者さんをモニタリングし、症例などの評価をしたりします。
また、検査知識に基づいた検査データ上の問題点の抽出などを行っていきます。
感染対策チーム(ICT)
病院でおこる様々な感染症から、患者さんのにみならず、家族や職員の安全を守るために活動するチームです。
さまざまな職種が集まり、病院全体の感染対策活動について話し合い実行していきます。
このチームでの臨床検査技師の役割は、入院している患者さん一人一人の細菌検査結果を確認し、耐性菌の増殖なども同時に調査します。
様々な感染症の発生動向を調べて、手洗い・うがいの徹底を指導するなど、考えられる感染の原因を早期に把握し対処することが重要な役割です。
病院全体としてのチーム医療
上記のような医療チームは全ての病院で存在するわけではありませんが、病床数の多い病院では比較的多くみられる制度になっています。
上記のようなチームの一員となり、臨床検査技師としてサポートすることにやりがいを感じる方も多くいます。
私は上記のようなチーム医療には参加していませんが、いろいろな場面でチーム医療におけるやりがいを感じることがあります。
一つ目がルーチン業務で検査値について直接医師から相談されたときのことです。
その際には、自分の勉強してきた知識を答えることで、医師からは感謝の言葉をもらうことができました。
そのような言葉がもらえると、今までの勉強が無駄ではなかったと思えることにプラスして、更に仕事や勉強に対してのモチベーションがさらに上がります。
二つ目に、臨床検査技師以外の医師や他のコメディカルの方と合同で検査をしている時です。
臨床検査技師が居てくれるから業務を円滑に行えると、周りの医療従事者に感謝される事があります。
このように、他の部署からの「ありがとう」という感謝の気持ちを受け取ることで、私はやりがいとして感じました。
臨床検査技師のチーム医療における役割は、正確な検査結果を送り、検査技師として勉強してきた知識をうまく使い、医療のサポートをすることだと思います。
僕たちは医師ではないので目立ち過ぎないように、陰でしっかり医療をサポートすることが重要なことです。
専門的な技術に特化した働き方
臨床検査技師には検体検査、病理検査、生理検査などあらゆる分野での働き方があります。
私は学生時代にどの分野に進みたいか授業や実習をしながら考えましたが、実際に思い描いていた分野には進めませんでした。
しかし、今は仕事が楽しいですし、実際にメインで業務をしている生理検査の分野を極めたいとも思っています。
就職する病院によって、自分の目指していた分野に必ず進めるかはわかりません。
しかしながら強い意思を持つことで、自分の目指した分野で働けている人もいるので、もし進みたい分野が決まっているのであれば挑戦するべきだと思います。
また、学生時代に決められなくも、実際に就職して働くことでその分野の面白さを実感することあります。
このように、様々な分野や働き方があることも臨床検査技師のやりがいの1つだと思います。
先ほども話したように検査技師には多くの専門的な検査の分野があり、そこで働くためにはその分野の技術が必要です。
もちろん分野によっても違いはありますが、業務を行うだけであるなら、ある程度の期間学ぶことで、実際に働くことができる場合がほとんどです。
しかしながら、検査機器の発展による検査の自動化が進む中で、今後の臨床検査技師の業務は、誰でも行う事が出来るスキルだけではやっていけない時代がやってくるかもしれません。
自分の興味のある分野を徹底的に学び、検査の原理を理解し、機器トラブルにいつでも対応できるような万能な検査技師が求められています。
そんな臨床検査技師は自分たちのやる気次第で、各分野での専門的な知識や技術を向上していくことができますので、これも臨床検査技師の「やりがい」なのではないでしょうか。
僕は勉強ってそんなに好きじゃないけど、こんな経験が出来ると頑張れちゃうよね
まとめ
今回は病院で働く検査技師の目線から、検査技師の「やりがい」について記事にしてみました。
もちろん病院以外にも臨床検査技師の働く環境はたくさんあります。
業者になるのであれば、営業での「やりがい」、胚培養士になるのであれば生命の誕生に対する「やりがい」。
検査技師にも様々な働き方があるので、他の働き方のやりがいも考えてみるといいかもしれません。
僕が検査技師として病院で感じる「やりがい」は、医療の分野で日々勉学に励むことで、自分の努力が他人に評価してもらえた時に感じるのが一番大きいのかなと思っています。
始めはつまらなく難しい医療分野の勉強ですけど、実際の医療現場と自分の知識と技術が絡んでくると病院で働く楽しさがもっと充実してくると思います。