【臨床検査技師】専門学校と大学の違いって何?大学卒の検査技師が徹底解説!!
カリスマ検査技師K

こんにちは!
病院で働く現役の臨床検査技師『けいた』と申します。

今回は臨床検査技師を目指すことのできる、専門学校と大学の違いについてまとめたいと思います。
大学や専門学校それぞれに、特徴やメリット、デメリットがありますので、入学の際は自分に合った教育機関に進むことをおすすめします。
就職や学生生活、給料、卒業後の進路などの様々な観点から、大学卒の私の意見も踏まえながらお話ししていきたいと思います。

学生生活


まずは大学卒の私の学生生活から得た経験から話そうと思います。
私は小学生の頃からバスケットをしていました。
大学でも続けるか悩みましたが、大学1年時には時間に余裕があると聞いていたので、大学でもバスケットを続けようと思い、バスケットボール部に入ってみることにしました(2年時は忙しく、1年で辞めました)。
その時に知り合った他学部のバスケ部の同級生とは、今でも一緒にバスケをしています。
1年で辞めたにもかかわらず、その後も関りがあったため、結婚式にも呼んでもらえる様な仲になりました。
この他にも、学園際をみんなで協力して出店した思い出や、新入生歓迎会で他学部の生徒と意気投合して医療における熱い話をしたことなど、大学生らしい楽しい経験をすることが出来ました。
本当に充実した大学1年間を送ることが出来ましたので、この1年という期間は勉強以外を楽しむことができる、人生において重要な時間だったと考えています。
もちろん、「専門卒でも同じ経験ができるよ!」という方もいるかと思いますが、大学では4年間かけて学ぶことを、3年間で覚えるというのはかなりハードなことです。
専門学校は大学より1年間短い分、娯楽の時間が少なくなってしまうのは必然です。
専門学校でも歯科衛生士や放射線科などの医療関係の学科があるところもありますが、大学と比べると規模は小さいため、他学部との交流があまりできないことも、人生において友人作りの幅を狭めてしまうことになると考えます。
「遊びに大学や専門に行こうとしているわけじゃない」と言う方もいるかと思いますが、人生は長いですし、就職の前のほんのひと時を楽しむことも私は大事だと思います。
それでも、「そんなことはどうでもいい」という方は、学生生活の面では大学に行くことはメリットになりませんので読み流していただいて構いません。
この話を聞いて大学の学生生活に興味を持った方などいたら、大学のオープンキャンパスなどに行ってみるといいかと思います。
なんとなく、大学の雰囲気というのが味わえると思います。
大学卒の私の意見では、学生生活を楽しめるのは専門学校よりも大学だと思っています。

就職先について


大学と専門学校どちらに進むかによって、少なからず就職先に違いがあります。
病院と言っても様々な病院がありますし、病院以外の就職先もありますので、将来の自分のために進学前からある程度考えておくといいかもしれません。

病院

病床数が多い病院ほど、専門卒と比べて大卒の方が働く人数の方が多い傾向にあります。
また、大学病院が併設されている大学は基本的に自分のところの学生を採用する傾向があります。
上記の様に、総合病院や大学病院などの比較的大きめの病院では、もちろん全ての病院とは言いませんが、大学卒が採用される傾向にあります。
ですが、専門卒が有利に働く病院もあるそうです。
この話は実際にデータとしてあるわけではなく、私が就職活動をする際に利用した、大学内にある就活支援サービスの担当者から聞いた話です。
専門卒が有利に働く点として1つめが、先ほど話したように、専門卒は大学卒よりも給料が低く設定されていることです。
人件費を少しでも削減したいと考えている病院は、専門卒を優先して採用することがあるそうです。
また、もう一つの理由として、専門学校は大学よりも病院での実習期間が長いことが理由だそうです。
新卒を即戦力として雇う場合には専門卒の方が、大学卒業生よりも実習期間が長い分、即戦力として働けることが多いようです。
実際にこの話を聞いてみて納得できる部分もあるので、病院によっては専門卒が有利に働くことがあるのでしょう。

企業

臨床検査技師募集の企業の求人でよく見る内容として、大学、大学院卒業以上と書かれているケースです。
求人としてはよく見かけるので、医療機関以外での就職も将来考えているようでしたら大学進学をおすすめします。

給料


大卒と専門卒では給料に違いがあるのでしょうか?
はっきり言ってしまいますが、この答えは「YES」で給料に違いがあります。
病院で働く臨床検査技師の新卒の初任給は、大体20万円前後となっています。
大卒と専門学校卒の初任給の差は、医療機関や地方自治体によってさまざまですので、このくらいの金額が違うという決まりみたいなものはありませんが、新卒の頃によく見ていた、求人を思い返すと大卒と専門卒の初任給にはだいたい5000円~1万円程度の違いがあったかと思います。
臨床検査技師に限らずどんな職業でも、大卒や専門学校卒、高卒とでは、それぞれ給料に違いがあるものです。
給料が低くなることを少しでも気になる様でしたら、大学への入学をおすすめします。

臨地実習


臨地実習とは病院などの医療現場で、実際の検査に触れながら学ぶことです。
この臨地実習の期間や、実習先なども大学と専門学校で違いがあります。
大学と比べると、専門学校の方が臨地実習の期間を多くとっています。
私の大学では3カ月くらいでしたが、専門学校の方は半年以上の実習期間があったと聞きます。
そして専門学校の場合は病院だけでなく、臨床検査技師が活躍する検査センターや健診センターでの実習もあるそうです。
専門学校が紹介する病院以外の就職先を考えている方にとっては、専門学校への入学は魅力的な部分かと思います。

研究について


大学では4年時には卒業研究があります。
卒業研究とは関心のある研究テーマを設定し、約1年間にわたり研究に取り組み、その研究成果を4年次後期に発表し、論文集を作成します。
専門学校では卒業研究はありませんので、研究に興味がある場合は大学に進学することをおすすめします。

卒業研究について

大学には研究室やゼミといった授業の取り組みがあります。
大学の4年時には基本的に卒業研究がありますが、ここで自分の専門科目を見つけて学ぶことができます。
卒業研究の発表や、卒業論文を執筆することは大変良い経験になります。
学生によっては学会発表を大学生の内に経験する方もいます。
この卒業研究という経験から研究の道へ進む人もいますが、もし研究の道へ行くなら大卒の資格は必要です。

大学院への進学

大学院に進む場合は大学卒業、つまり学士でなければなりません。
わたし自身も大学卒業後に大学院に進学しております。
専門卒から大学院に進んだ方と何名か知り合いでしたが、「通信制大学」を利用して学士を取得されていました。
この方法は大変だったと聞きますので、大学院に少しでも興味があるようでしたら大学進学をおすすめします。
また、大学同士の繋がりや、教授の紹介などで大学院への進学が決まることもあります。
大きな組織は大きな組織同士の繋がりがありますので、このような部分は専門学校との違いかと思います。

入学から就職までの期間

大学は入学から卒業までに4年間、専門学校は3年間となっており、入学から就職までの期間に違いがあります。
『早く社会に出て人の役に立ちたい』という方は専門学校への入学をおすすめします。
また、専門学校を希望される人の中には、臨床検査技師とは全く関係ない大学に入学したけれど、進路変更を希望される方や、社会人の方が「転職に役立つ資格を取りたい」と希望して入学されるケースがあるそうです。
そのため、専門学校の入学者は幅広い年齢層でもあるそうです。
逆に大学は専門学校に比べると、就職までに1年間の遅れがあります。
もちろん、この1年間はメリットともデメリットとも取れますので、どちらが正解というものではありません。
つづき