こんにちは!
病院で働く現役の臨床検査技師『けいた』と申します。
午前(AM) 問26
2つ選べ。
2.耳硬化症
3.中耳炎
4.突発性難聴
5.メニエール(Ménière)病
解説
難聴には主に3種類あります。
伝音難聴
外・中耳の伝音機能の障害。
気導聴力は低下するが、骨導聴力は問題ない。
例:外耳道狭窄、中耳炎、耳硬化症、耳菅狭窄症、鼓膜穿孔
出典:「ReSound GN」
感音難聴
内耳・中枢の感音機能の障害。
気導、骨導の両方で低下が見られる。
例:内耳炎、騒音性難聴、突発性難聴、老人性難聴、メニエール病、聴神経腫瘍
出典:「ReSound GN」
混合性難聴
伝音機能と感音機能、両方の障害。
Air-bone-gap(AB gap:気導値と骨導値の差)が見られる。
例:中耳炎の内耳への進行、中耳炎後遺症、耳硬化症
出典:「ReSound GN」
4 突発性難聴は突然片側の耳が聞こえにくくなる原因不明の感音難聴です。
一度発病すると治らない人もいます。
治りにくい難聴=感音難聴と覚えると良いでしょう。
5 メニエール病は難聴や耳鳴に加えて、地面が回転しているように感じるめまいが特徴的な疾患です。
難聴の種類は感音難聴となります。
午前(AM) 問27
2.Ⅸ
3.Ⅹ
4.Ⅺ
5.Ⅻ
解説
この問題は反回神経が迷走神経から分岐するということと、迷走神経が何番の脳神経なのかを覚えておかなくては解けない問題ですね。
神経系はゴロを使って覚えましょう!
脳神経の覚え方
嗅いで(嗅神経)視る(視神経)、動く(動眼神経)車(滑車神経)の三(三叉神経)の外(外転神経)、顔(顔面神経)聞く(内耳神経)舌(舌咽神経)は迷う(迷走神経)副(副神経)の舌(舌下神経)
e
脳神経のゴロ合わせ(1対1対応)
Ⅰ:嗅神経―一休さん
Ⅱ:視神経―ニシン
Ⅲ:動眼神経―散瞳
Ⅳ:滑車神経―かっしゃ
Ⅴ:三叉神経―3とみせかけて5
Ⅵ:外転神経―無害
Ⅶ:顔面神経―七面鳥
Ⅷ:内耳神経(聴神経)―初耳!
Ⅸ:舌咽神経―喉を吸引
Ⅹ:迷走神経―10名さま迷走
Ⅺ:副神経―いい副
Ⅻ:舌下神経―いつしたか?
参考:医療情報科学研究所 編:「QUESTIONBANK 臨床検査技師 2022」,p G―17
午前(AM) 問28
2.感覚領
3.嗅覚領
4.視覚領
5.連合領
解説
脳の機能局在や神経系は授業でも軽く触れる程度で、しっかりと全て覚えている人は少ないのではないでしょうか。
臨床検査技師の国家試験に出題される神経系は簡単なものが多いため、大体の位置と働きを押さえておけば解けると思います。
そこでおすすめなのはこちらのYouTubeです
この動画では脳の機能局在の大体の位置と働きを解説しており、最後にゴロも紹介しています。
大脳機能局在のゴロ
「気の利くウブなミカンは超四角」
気の利く→大脳機能局在
ウ→運動野
ブ→ブローカ中枢
ミ→味覚野
カン→体性感覚野
超→聴覚野/ウェルニッケ中枢
四角→視覚野
このゴロを覚えておけば、今回の問題も解けますね!
午前(AM) 問29
2.HbA1cは過去約2週間の平均血糖値を反映する。
3.グリコアルブミンは過去約2ヶ月の平均血糖値を反映する。
4.1,5-アンヒドログルシトール(1,5-AG)は腎性糖尿で高値になる。
5.1,5-アンヒドログルシトール(1,5-AG)は過去約3か月の平均血糖値を反映する。
解説
1.HbA1cは溶血性疾患で低値になる。
2.HbA1cは過去約2週間の平均血糖値を反映する。
HbA1cとはヘモグロビンに糖が結合した糖化ヘモグロビンのことです。
高血糖状態が続くとHbAと糖が結合しHbA1cとなり、さらに高血糖が1〜2ヶ月続くとHbAと糖の結合はより強固になり、結合は不可逆となります。
赤血球の寿命である約120日間にわたり血中に存在するため、過去約2ヶ月の血糖値を反映する指標として用いられます。
HbA1c値が平均血糖値を正しく反映しない場合として溶血性疾患があげられます。
溶血性疾患では赤血球の寿命が短くなり、どんどん新しい血球が産生されます。
HbA1cは時間をかけて結合を強固にしていくため、寿命が短くなると、その分HbA1c値も低くなります。
3.グリコアルブミンは過去約2ヶ月の平均血糖値を反映する。
グリコアルブミンとはアルブミンに糖が結合したものです。
こちらは過去2週間の平均血糖値を反映します。
HbA1cよりも直近の情報をもたらしてくれるため、血糖コントロールの状況把握として役立ちます。
4. 1,5-アンヒドログルシトール(1,5-AG)は腎性糖尿で高値になる。
5. 1,5-アンヒドログルシトール(1,5-AG)は過去約3か月の平均血糖値を反映する。
1,5-アンヒドログルシトールはグルコースに類似した構造を持つ物質で、主に食物により体内に入り、通常はそのほとんどが尿細管で再吸収されます。
高血糖によりグルコースが尿中に排泄されるようになると再吸収が拮抗阻害され、尿中排泄量が増加し、血中濃度が低下します。
過去1週間の血糖値を反映し、高血糖時に低値を示します。
午前(AM) 問30
2.筋肉で産生される。
3.低酸素血症で増加する。
4.血中では陰イオンとして存在する。
5.乳酸アシドーシスではアニオンギャップが増加する。
解説
乳酸とは嫌気的解糖の終末代謝産物で、筋肉や赤血球などで産生され、肝臓で代謝されます。
糖新生やクエン酸回路の基質となります。
1.肝硬変で上昇する。
乳酸は肝臓で代謝されるため、肝硬変などの肝障害が起こると、代謝能が下がり、血中濃度が上昇します。
2.筋肉で産生される。
筋肉ではグリコーゲンを分解してエネルギーを得る解糖系(嫌気的代謝)が行われ、この過程で乳酸が産生されます。
よく「筋トレをすると乳酸が溜まる」と言いますが、それは筋肉内のグリコーゲンからエネルギーを得ているからなんですね!
3.低酸素血症で増加する。
低酸素状態だと好気的解糖の代わりに嫌気的解糖が進んでしまい、乳酸が増加してしまいます。
その後、乳酸アシドーシスへと進行してしまうこともあります。
4.血中では陰イオンとして存在する。
乳酸は血液中では陰イオンとして存在し、酸-塩基平衡の維持に重要です。
5.乳酸アシドーシスではアニオンギャップが増加する。
アニオンギャップ(AG)とは血液中の陽イオンと陰イオンの各総量の差のことをいい、以下の式で求められます。
AG=Na+―(Cl−+HCO3−)=12±2 mEq/L
この12±2 mEq/Lは基準範囲で、乳酸、リン酸、ケト酸などの血漿中で通常測定されない有機酸(陰イオン)濃度に相当します。
乳酸アシドーシスでは乳酸が過剰なために起こったアシドーシスであるため、AGも増加します。
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