こんにちは!
病院で働く現役の臨床検査技師『けいた』と申します。
午前(AM) 問11
2.気道確保
3.人工呼吸
4.静脈路確保
5.AED の使用
解説
一次救命処置とは、心肺停止傷病に対し、緊急病態の認知、救急医療システム(119番)への通報を行うとともに、気道確保、人工呼吸および心臓マッサージにより自発的な血液循環を回復させる試みを指し、医療従事者に限らず、誰でも行える心肺蘇生法をいう、とされています。
具体的には
迅速な通報(119番)
迅速な救命措置(気道確保、人工呼吸、心臓マッサージ)
迅速な電気的除細動(AED)
などがあります。
「一般社団法人 広島医師会」より引用
4.静脈路確保は皮膚に針を指し、静脈内にチューブを入れる方法であり、医療従事者にしかできない行為であるため、誤りです。
午前(AM) 問12
2.卵巣癌
3.子宮筋腫
4.子宮頸癌
5.子宮体癌
解説
1.乳 癌
乳癌はエストロゲンの過剰状態や、遺伝的要因によって発症します。
エストロゲン過剰状態になりやすい人として
肥満体型の人―脂質のとりすぎによってコレステロールホルモンであるエストロゲンが過剰に産生される
初経が早い人―エストロゲンにさらされる期間が長い
出産授乳経験がない人―上記と同様
などが挙げられます。
エストロゲン過剰状態は乳癌の他に
2 卵巣癌
3 子宮筋腫
5 子宮体癌
などのリスクファクターとなります。
4.子宮頸癌
子宮頸癌のほとんどはヒトパピローマウイルス(HPV)の感染が原因とされています。
HPVは主に性交渉によって感染し、性交渉経験のある約80%の女性が50歳までに一度は感染すると言われています。
しかし、そのほとんどが自己免疫力によって消失されるため、癌を発症する割合は少ないです。
「公益社団法人 日本産科婦人科学会」より引用
http://www.jsog.or.jp/modules/jsogpolicy/index.php?content_id=4
午前(AM) 問13
2.KL-6
3.ProGRP
4.SLX
5.SP-D
解説
1.CYFRA
CYFRAはサイトケラチン19フラグメントのことで「シフラ」と読みます。
上皮細胞の骨格蛋白であるサイトケラチンの第19タンパク質で、肺の扁平上皮癌で特異的な腫瘍マーカーとして用いられます。
2.KL-6
KL-6(シアリル化糖鎖抗原KL-6)は主に間質性肺炎で上昇する血中マーカーの一つです。
Ⅱ型肺胞上皮細胞の由来する糖蛋白で、間質性肺炎と他疾患との鑑別や、疾患活動性の判別に用いられます。
なぜ、間質性肺炎で「KL-6」が増加するのか?
肺胞上皮が傷害されたとき、正常であればⅡ型肺胞上皮がⅠ型肺胞上皮へと分化し、肺胞上皮を修復します。
しかし、間質性肺炎などが原因でⅠ型へ分化できないままⅡ型肺胞上皮が増殖してしまうと、肺胞上皮を修復できず、線維芽細胞が増殖し線維化をおこします。
増殖したⅡ型肺胞上皮はKL-6や、後述するSP-A、SP-Dを過剰分泌します。
そのため、間質性肺炎では肺胞の線維化やKL-6、SP-A、SP-Dの増加が見られます。
3.ProGRP
ガストリン放出ペプチド(GRP)の前駆物質で、小細胞肺癌に特異性の高い腫瘍マーカーです。
ちなみに「Pro」は前駆物質という意味です。
4.SLX
シアリルLex-Ⅰ抗原のことで、細胞分化に関わる糖鎖抗原の一つです。腺癌で高値を示す腫瘍マーカーの一つです。
腺癌では他にCEAが上昇することが有名なため一緒に覚えておきましょう。
5.SP-D
SPはサーファクタントプロテインの略で、SP-Dの他にSP-Aがあります。
Ⅱ型肺胞上皮細胞に由来するタンパク質で、間質性肺炎で上昇する血中マーカーの一つです。
午前(AM) 問14
2.BNP
3.CK
4.LD
5.トロポニン
解説
心不全とは心臓の器質的あるいは機能的障害により、心臓のポンプ機能が低下し、心拍出量の低下や末梢循環不全、肺や体静脈系のうっ血をきたす病態のことを指します。
血液検査でBNP(脳性ナトリウム利尿ペプチド)やNT-proBNPの上昇を認めます。
BNPとは主に心室が分泌する循環調節ホルモンのことです。
心不全となると、心室への負荷が大きくなり、それに応じてBNPの産生量が増加します。
心不全の重症度に応じて上昇し、治療により低下するため、診断および重症度判定、治療効果の評価に有用な指標となります。
残りの選択肢の1 AST、3 CK、4 LD、5 トロポニンは全て心筋梗塞のマーカーとなります。
心筋梗塞とは心臓の栄養血管である冠動脈が梗塞することにより血流が急激に減少し、心筋の壊死をきたした病態です。虚血によってまず心筋細胞膜が傷害され、細胞の中に溶けているCK、CK-MB、ミオグロビン、H-FABPが流出します。さらに虚血が高度で長時間に及ぶと筋原線維が分解され、心筋筋原線維の構造蛋白である心筋トロポニンT、I、ミオシン軽鎖が流出します。
心筋梗塞と心不全マーカーは混合しやすいため、マーカーの意味を一つ一つ理解して上昇する機序を頭に入れておくといいでしょう。
午前(AM) 問15
2.肺活量
3.1秒率
4.1秒量
5.肺拡散能
解説
COPDとはタバコ煙などの有害物質による気道や肺の炎症によって完全には正常化しない気流閉塞を示す病態です。
名前にある通り、閉塞性換気傷害を引き起こしますが、進行すると拘束性換気障害が加わり、混合性換気障害を呈するようになります。
換気障害分類の表の覚え方を伝授
「武士や、いーな」
武士→%VC
や→80%
いー→1秒率
な→70%
1. 残気量
残気量とは限界まで吐き切ってもまだ肺の中に残る空気の量です。
COPDではうまく息を吐き切ることができなくなるため、肺活量は減り、その分残気量は増えます。
2. 肺活量
肺活量とは限界まで吸い、限界まで吐いた時の空気の量です。
COPDでは炎症の持続により、肺胞構造が破壊され、機能不全となるため、肺活量は著しく低下します。
3. 1秒率
1秒率とは努力肺活量のうち1秒間に吐けた空気の量の割合のことです。
COPDでは気道閉塞があるため、1秒間に吐ける量や速度は低下します。
4. 1秒量
1秒量とは1秒間にどれだけ多く息を吐けるかを示します。
1秒率と同様に、気道閉塞があるため、低下します。
5. 肺拡散能
肺拡散能とは肺に取り込まれた酸素の肺胞での拡散能力のことで、拡散経路のうちどこかに異常があると酸素は拡散しにくくなり、低酸素血症を生じます。
拡散経路は肺胞→肺胞上皮→基底膜→間質→毛細血管内皮→血流→Hbと結合、となっています。
COPDでは序盤の肺胞上皮が破壊され、拡散面積が減少するため、肺拡散能は低下します。
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