こんにちは!
病院で働く現役の臨床検査技師『けいた』と申します。
午前(AM) 問81
最も考えられる疾患はどれか。
2.CREST症候群
3.Sjogren症候群
4.混合性結合性組織病
5.全身性エリテマトーデス
解説
まずは画像からどのような染色パターンを示すのか、確認しましょう。
画像をみると、核の内部が細かい点状に染色されているのが観察されますね。
これはcentromere型(セントロメア型)の染色パターンです。
1.関節リウマチ(RA)
RAではリウマトイド因子(RF)や抗CCP抗体の増加をELISAなどで測定しますが、抗核抗体ではないので、関節蛍光抗体法による抗核抗体検査は行われません。
2.CREST症候群
CREST症候群では抗セントロメア抗体が生成され、centromere型の染色パターンを示します。したがって2が正解となります。
3.Sjogren症候群(SS)
SSでは抗ENA抗体であるSS-A/Ro, SS-B/Laが生成され、speckled型(斑紋型)の染色パターンを示します。
speckled型は核質が染まり、顆粒状に色が抜けているのが特徴です。
出典:MBL 「間接蛍光抗体法による抗核抗体写真集」第4版
https://ivd.mbl.co.jp/diagnostics/print/pdf/autoimmune/252013/AC04.pdf
4.混合性結合性組織病(MCTD)
MCTDでは抗ENA抗体であるU1-RNPが生成され、speckled 型の染色パターンを示します。
5.全身性エリテマトーデス(SLE)
SLEでは抗DNA抗体が生成されることから、peripheral型(辺縁型)、抗ヒストン抗体や抗DNP抗体が生成されることからhomogeneous型(均質型)、抗ENA抗体であるU1-RNPとSmが生成されることからspeckled 型の染色パターンを示します。
peripheral 型は核膜と核質が染まり、homogeneous 型では核質が均一に染まります。
peripheral型
出典:MBL 抗核抗体の基礎から応用まで
http://www.osaka-amt.or.jp/lecture/ana/img/slide3.JPG
homogeneous 型
出典:MBL 「間接蛍光抗体法による抗核抗体写真集」第4版
https://ivd.mbl.co.jp/diagnostics/print/pdf/autoimmune/252013/AC01.pdf
今回選択肢に挙げられなかった全身性硬化症(SSc)も抗核抗体検査において重要なので一緒に覚えておきましょう。
SScでは抗ENA抗体であるU1-RNPやScl-70が生成されるため、speckled 型、抗核小体抗体が生成されるため、nucleolar型(核小体型)、抗セントロメア抗体が生成されるため、centromere型の染色パターンを示します。
nucleolar型はcentromere型よりも大きく数の少ない点状に染色されるのが特徴です。
出典:MBL 「間接蛍光抗体法による抗核抗体写真集」第4版
https://ivd.mbl.co.jp/diagnostics/print/pdf/autoimmune/252013/AC08.pdf
午前(AM) 問82
2.複数回摂取する。
3.アジュバントを用いる。
4.キャリア蛋白に結合させる。
5.ポリクローナル抗体が作られる。
解説
抗体の作製法
k
出典:「抗体の作製方法」MBL
https://ruo.mbl.co.jp/bio/support/method/antibody-production.html
動物(マウスなど)に抗原を注射して、血液中に抗体を多量に産生させます。
繰り返し摂取し、数ヶ月してから血液(血漿、血清)を回収し、そこから抗体を精製します。
この時得られる抗体は免疫原に反応する非常に多くの種類の
抗体を含んでいるため、ポリクローナル抗体を呼ばれています。
ハプテンとは抗原として用いられるペプチドや小分子のことです。
ハプテンを抗原として動物(マウスなど)に注射することで、抗体を作ることができます。
しかし、ハプテンは分子量が小さく、単独では免疫応答が起こらず、抗体を作製することができません。
そのため、キャリア蛋白と結合させ、分子量を大きくし、免疫原性化する必要があります。
また、免疫原に対する免疫応答を増強させるために、アジュバントと呼ばれる様々な添加剤が使用されています。
抗原投与の方法には、皮下、皮内、筋肉内、静脈内への注射や経口投与法などがありますが、動脈注射は行われません。
したがって1 動脈注射する。が誤りと言えます。
午前(AM) 問83
2.顆粒球
3.血小板
4.リンパ球
5.壊れた細胞の破片
解説
フローサイトメトリーは前方散乱光・側方散乱光・蛍光のパラメーターを組み合わせ、目的の細胞集団を同定しその抗原を解析する手法のことです。
前方散乱光からは細胞の大きさが、側方散乱光からは細胞内構造の複雑さが、蛍光からは抗原の発現がわかります。
出典:「末梢血・骨髄像の見方&考え方」 (ネットで形態)
https://www.beckmancoulter.co.jp/dx/quiz_past/hematology/oneself/part02/self2_03.html
今回の問題で問われている矢印の部分は前方散乱光、側方散乱光ともに高い部分です。
つまり、細胞の大きさが大きく、かつ内部が複雑な血球ということです。
したがって2 顆粒球 が最も当てはまると言えます。
1 単球
単球は血球の中で大きめの部類に入りますが、その内部は単純なため、当てはまりません。
3 血小板
血小板は血球成分の中で最も小さく、その内部も単純なため、当てはまりません。
4 リンパ球
リンパ球はやや小さめで、その内部も単純なため、当てはまりません。
5 壊れた細胞の破片
細胞の破片は大きさがバラバラなため、一つの区画に集中しているとは考えにくいです。
午前(AM) 問84
2.連鎖形成
3.異型輸血後
4.寒冷凝集素
5.ABO不適合腎移植後
解説
部分凝集では比較的大きな凝集塊が非凝集性の赤血球と混在している像が見られます。
判定には「mf」と記載します。
出典:②ABO血液型検査(株式会社日本医学臨床検査研究所)
この部分凝集は亜型やキメラ、疾患による抗原減弱、異型輸血後などで見られます。
問題文中に「オモテ検査で」とあるため、患者血球側に問題があると言えます。
したがって、正解は1 亜型、3 異型輸血後 となります。
2 連鎖形成
連鎖形成を起こしていたらオモテ検査で抗A、抗Bともに凝集し、ウラ検査と一致しない結果になります。
4 寒冷凝集素
寒冷凝集素とは患者血漿中に存在する不規則抗体の一種です。オモテ検査ではなく、ウラ検査で異常な凝集を示します。
5 ABO不適合腎移植後
移植した腎臓の血管内皮細胞にも血液型と同じA抗原やB抗原がついているため、ABO不適合の関係で腎移植をおこなった場合、移植した腎臓が血液型抗体に攻撃され、拒絶反応が起こります。
これを防ぐために、移植前に患者血漿内の抗体を無くすために、血漿交換を行います。
したがって、ABO不適合腎移植後の血液型検査ではウラ検査でどちらも凝集せず、オモテ検査と合致しない結果になると考えられます。
午前(AM) 問85
2.PT-INRが1.5以上
3.APTTが基準値の1.5倍以上
4.血清アルブミン値が2.0g/dL以下
5.血漿フィブリノゲン値が150mg/dL以下
解説
新鮮凍結血漿の使用指針
新鮮凍結血漿の投与は、血漿因子の欠乏による病態の改善を目的に行います。
特に、凝固因子を補充することにより、止血の促進効果をもたらすことにあります。
・PT INR2.0以上、または30%以下
・APTT 各医療機関における基準の上限の2倍以上、または25%以下
・フィブリノゲン値 150mg/dL以下、またはこれ以下に進展する危険性がある場合
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